そんな質問をよくされる。
なぜ? そう聞かれて、僕も説明しようと思うのだけど、限られた時間の中でそれを理解してもらうのは不可能なことに気づかされる。正直いって、その質問に正確に答えるのはむずかしい。
でも、なぜ旅に出るのか、そして旅を通してなにを見てきたのか、それを伝えたい気持ちはいつでもあった。
人はそれぞれ生活の流れを持っている。ぼくの生活の流れが、ほかの人のそれと重なるのはほんの一瞬にすぎなくて、そのなかでなにかを伝え、そして理解してもらおうとするのは、容易なことではない。
でも、こうして自分自身を文字のなかに託してやれば、一瞬の接点を通してでも、自分を伝えることができるのではないか。そう考えたことが、本をつくる動機となった。
この本のなかでは、旅のエピソードを中心に、旅を通して僕がなにを見てきて、なにを感じたのか、そしてそれが僕自身にどう影響を与えたのかについて書きたいと思う。
1996年6月
旅のはじまり
こんな旅をしてきた
東海道踏破を通して学んだこと
1995 夏 西表島にて
・旅の感覚
・西表島への思い
・優雅な船旅
・旅のカメラ考
・台湾から来た箸
・ひとり旅する女の人の気持ち
・はじめてのヒッチハイク
・旅人たち
・英語−そして世界へ
はじめての海外自由旅行
台湾からの手紙
台湾人の親切